アルセロール・ミッタル Arcelor Mittal
アルセロール・ミッタル (Arcelor Mittal) は、2006年にヨーロッパのアルセロールとインドのミッタル・スチールの経営統合によって誕生した世界最大の鉄鋼メーカーである。年間粗鋼生産量で世界シェアの約10%を占める。本社はルクセンブルクにある旧アルセロール本社に置かれている。
経営者(CEO)はインド人のラクシュミー・ニワース・ミッタル氏である。
フォーブス誌によれば、2006年のミタル氏の資産は約4兆円、世界第5位の資産家である。ミッタル家はアルセロール・ミッタル社の株式の43.6%を保有している。
世界の鉄鋼生産は、2000年までは、ほぼ7億トン台で推移していたが、2000年には8億トン台、2002年には9億トン台、2004年には10億トン台、2005年には11億トン台、2006年には12億トン台へと再度拡大基調へ転じている。
なかでも中国の生産増大は著しく中国国内需要の増大とともに急拡大している。また、インド、ブラジル、ロシア企業による再編が進んでいる。
上海証券報によると、2008年の中国の粗鋼生産は5億3000万トンと過去最高に達する見通し。中国の粗鋼生産は毎年10%以上の拡大を続けており、国内需要を超える生産が輸出に向き、貿易摩擦の原因となっている。
鉄鋼の国際価格が上昇している原因は、新興国の需要によるものが大きいが、特に高いのは中国の需要増大である。2006年の粗鋼生産を見ると中国の生産シェアは40%程度まで上昇している。
その結果、鉄鋼の原材料である鉄鉱石、石炭の価格も大幅に上昇している。2006年の鉄鉱石の需要に占める中国の割合は40%に達している。石炭は36%、製品である鉄鋼の需要シェアも30%に及ぶ。
2006年世界粗鋼生産企業ランキング
第1位 ミッタル・スチール(オランダ) 6,366万トン
第2位 アルセロール (ルクセンブルク)5,432万トン
第3位 新日本製鉄 3,370万トン
第4位 JFEスチール 3,202万トン
第5位 ポスコ (韓国) 3,120万トン
第6位 上海宝鋼集団 (中国) 2,253万トン
第7位 USスチール (アメリカ) 2,125万トン
第8位 Nucor (イギリス) 2,031万トン
第9位 唐山鉄鋼 (中国) 1,906万トン
第10位 Corusグループ (英・蘭) 1,830万トン
第11位 Riva (イタリア) 1,819万トン
第12位 Severstal (ロシア) 1,760万トン
第13位 Thyssen Krupp (ドイツ) 1,686万トン
第14位 Evraz (ロシア) 1,610万トン
第15位 Gerdau Group (ブラジル) 1,557万トン
第16位 鞍山鉄鋼 (中国) 1,500万トン
第17位 江蘇沙鋼 (中国) 1,463万トン
第18位 武漢鋼鉄 (中国) 1,376万トン
第19位 住友金属工業 1,358万トン
第20位 Sail (インド) 1,358万トン
第32位 現代製鉄 (韓国) 892万トン
第33位 Usiminas (ブラジル) 890万トン
第36位 神戸製鋼所 774万トン
第55位 Tata Steel (インド) 565万トン
第75位 CSN (ブラジル) 350万トン
*第1位のミッタルと第2位のアルセロールは2006年合併
*2007年、第10位のコーラスは、第55位のタタ製鉄傘下
*CNSはコーラスの買収合戦敗退
*第33位ウジミナスは実質新日鉄傘下に
*世界の鉄鋼メーカー上位127社中中国企業は55社である。
インフレ目標政策 inflation target policy
カテゴリー: あ行
中央銀行の政策目標を一定のインフレ率に置く金融政策オペレーションの枠組みのひとつ。
日本では、デフレという厳しい経済環境で議論されたことで、中央銀行が極端な手段を取る政策という誤解が強い。世界的にはインフレ目標を採用している中央銀行は先進国に多く存在し、多くの場合は、インフレ抑制のための金融政策である。日本は、デフレ下のインフレ目標論議であったため、デフレ対策、物価上昇手段として議論されてきた経緯がある。インフレ助長のため、デフレ対策としてインフレ目標が採用された例はない。
インフレ目標を採用している中央銀行でも、目標に沿って機械的に金融政策を実施している国はない。実際には経済状況に応じて自由裁量の余地を残している。アメリカはインフレ目標を採用してはいないが、バーナンキFRB議長は「ほんの少し自らの手を縛ることで、市場の信頼性は高まる」と、その有用性を説明している。
インフレ目標を採用している各国の事例
ニュージーランド
1988年4月採用 目標インフレ率 1%~3% 中央銀行と政府の合意 四半期ごとに3年先までの見通しを公表
カナダ
1991年2月採用 目標インフレ率 2±1% 中央銀行総裁と政府の合意 四半期ごとに簡単な見通しを発表
イギリス
1992年20月採用 目標インフレ率 2% 政府が設定 四半期ごとに3年先までのインフレ、成長率見通しをファン・チャート等で公表
スウェーデン
1993年1月採用 目標インフレ率 2±1% 中央銀行が設定 四半期ごとに2年先まで見通しをファン・チャート等で発表
オーストラリア
1993年採用 目標インフレ率 中期的に平均2%~3% 中央銀行と政府の合意 四半期ごとに簡単な見通しを発表
エンブラエル EMBRAER
カテゴリー: あ行
エンブラエル社は、ブラジル最大の輸出企業である。2000年年代に入って急速に成長してきた世界第4位の航空機製造会社である。2007年の売上は、52億2400万ドル、従業員数2万3600人。
エンブラエル社は、1969年、ブラジルの国営会社として設立された。ブラジル空軍の航空技術研究所の研究員によって開発されたプロペラ機バンデランテス、ブラジリアを開発、小型旅客機として各国で採用されて成功した。さらにターボプロップ式タンデム複座型練習機としてイギリス空軍などで採用されたほか、ブラジル空軍でも練習機兼用のゲリラ掃討用COIN機として利用されている。
1990年には3億ドルをかけて開発した、「CBA123」を発表したが、価格競争力に欠け事業としては失敗した。この失敗でブラジル政府からの援助は打ち切られ、さらに湾岸戦争による世界的航空需要の減退でエンブラエル社は、窮地に陥った。相次ぐ受注キャンセルのなか1万4,000人の大半をリストラ敢行したが受注減による業績悪化から黒字転換は達成できなかった。
ブラジル政府は事業売却、民営化を試みたが相次いで失敗した。その後、1994年12月、金融コングロマリット「ボザノ・シモンセン」、社会福祉年金運用会社「プレビ」、「システル」が共同で出資し、1億4670万米ドルで買収した。
1999年、フランスの航空機製造企業グループ・ダッソーと資本・技術提携し、ダッソー社がエンブラエル社の株式を20%保有するに至った。ダッソー社の技術支援を受けて、70人乗り「ERJ170」、98人乗り「ERJ190」、108人乗り「ERJ195」の開発を相次いで発表した。2007年2月、日本航空グループ(JALグループ)は、ERJ-170を10機導入することを決めた。
エンブラエル社の2000年以降の成長は著しく、売上は世界第3位のカナダ・ボンバルデア社に迫る勢いである。ビジネスジェット分野にも参入し、売上は好調である。また、軍用機分野でも好調を維持し、ブラジル空軍の50%はエンブラエル社の航空機であり、オーストラリア空軍など世界20カ国以上の軍隊で採用されている。
また、特筆すべき点として、エンブラエル社の子会社ネイバ社がアルコール燃料で飛ぶ農業用小型飛行機を開発したことである。ブラジルのエネルギー政策との連動でバイオ・エタノールの利用を高める戦略と見られる。環境重視の世界的流れから大きな需要が見込まれる。
2002年、エンブラエル社は、中国ハルビンで中国の国営会社と合弁の航空機製造工場を建設している。エンブラエル社のの株式保有比率は51%である。2004年には第1号機(ERJ-145型、客席数50)が製造されている。年間生産能力は24機である。リージョナルジェットの今後20年間の需要予測は、中国で600機であり、リージョナルジェットの中国国内保有数は2004年現在で70機であることを考えると今後の需要増が見込めると読んでいるようである。また、世界需要は4000機が予測されており、ボンバルデア社、三菱重工MRJとの競合が予想される。
ウォーレンバーグ財団 Wallenberg Foundation
カテゴリー: あ行
スウェーデンのウォーレンバーグ家はヨーロッパ有数の同一家系を維持する財閥である。ウォーレンバーグ家は一族の財産を財団管理することで富の集積を図り、遺産相続などによる富の散逸・分散を防いでいる。その財団こそウォーレンバーグ財団である。ウォーレンバーグ財団は事業持株会社であるインベスター社の22%の株式保有、47%の議決権割合を保有している。ストックホルムに本社を置くインベスター社の社員数は120人でしかない。しかし保有する純資産は、2007年9月末現在で1746億クローナ(17円換算で約3兆円)に及び、投資資金はすべて自己資金で、支配権の及ぶ傘下企業の売上高は14兆円を超える。
ウォーレンバーグ財団はインベスター社を通して多くの企業を傘下に持つ。以下は傘下企業に対する株式保有率、議決権割合、売上高(億円)、営業利益(億円)である。
SEB銀行 17.9% 18.2% 6,979億円 2,652億円
エリクソン 5.0% 19.4% 3兆226億円 6,086億円
アトラスコプコ 15.0% 21.1% 8,587億円 1,564億円
ABB 7.6% 7.6% 2兆7,585億円 9,284億円
アストラゼネカ 3.4% 3.4% 2兆9,916億円 9,284億円
スカニア 11.0% 20.0% 1兆2,025億円 1,488億円
エレクトラックス 11.1% 27.6% 1兆7,654億円 777億円
サーブ 19.8% 38.0% 3,580億円 296億円
ハスクバーナ 11.1% 29.2% 4,998億円 530億円
OMX証券取引所 10.7% 10.7% 613億円 205億円
OMX傘下の取引所
ストックホルム証券取引所:スウェーデン
ヘルシンキ証券取引所:フィンランド
コペンハーゲン証券取引所:デンマーク
ビリニュス証券取引所:リトアニア
リガ証券取引所:ラトビア
タリン証券取引所:エストニア
ロンドン証券取引所
インベスターの歴史は150年を超える。1856年ストックホルムに設立されたSEB銀行が国内企業に投資したことに始まる。A.O.ウォーレンバーグ氏によって設立されたこの銀行は1916年に銀行と持株会社とを分離しているが、設立以来ウォーレンバーグ家が支配している。現在は、同家が設立したウォーレンバーグ財団がインベスター社議決権の47%を保有している。現会長はジェイコブ・ウォーレンバーグ氏で、5代目の当主である。ウォーレンバーグ家もまたロスチャイルド家と関係の深いユダヤ人家系である。
インベスター社の投資先としては、上記上場企業以外にも、携帯電話会社の「3スカンジナビア」、ストックホルム市内の高級ホテル「グランドホテル」など6社に投資し、さらにベンチャー企業10社に投資している。インベスター社は単なる長期保有会社ではなく、各社に対しボードメンバーを派遣し、各社を担当するアナリストは経営戦略の策定にも関与する。資本増強、不採算部門の売却なども積極的に行う。かつてはボルボ、スカンジナビア航空の筆頭株主でもあった。東京にも事務所を持ち、ITベンチャーなどに投資している。
スウェーデンの人口は908万人、大阪府881万人に匹敵する。GDPは43.7兆円、九州全域の47.6兆円に匹敵する経済規模である。
ウォーレンバーグ財団の傘下企業の売上総額は14兆円超であることはすでに述べたが、スウェーデンのGDPが43.7兆円であることを考えるとスウェーデンにおけるウォーレンバーグ財団の位置付けが自ずとわかるだろう。
アンバニー財閥 Ambani リライアンス財閥(Reliance Group)
カテゴリー: あ行
アンバニー財閥(Ambani 財閥)は、インド最大の私企業である。
2008年現在、アンバニー財閥最大の企業リライアンス・インダストリー(Reliance Industries)は、GEプラスチック買収を画策していると報道されている。リライアンスはすでに、2004年、欧州のポリエステル繊維メーカーのTrevira を買収し、ポリエステル繊維トップメーカーとなっている。リライアンス・グループ(Reliance Group)の事業は多岐にわたり、ガスパイプライン、石油精製、化学繊維、アパレル等の上流から下底までの石油化学事業、通信、電力等インフラ事業を行っている。
リライアンス・グループの中心は石化事業のリライアンス・インダストリー(Reliance Industries)で、パラキシレンでは世界3位、高純度テレフタル酸では、世界4位となっている。インドの拠点は4箇所。
ジャムナガル(Jamnagar)に新設する製油所の隣には年産27百万トンの製油所があり、石化原料のナフサ、芳香族とPPを生産している。ポリプロピレン(PP)は当初の3系列77万トンに、2006年第4系列28万トンが加わった。同じく27百万トンの新製油所では上述の通り、100万トンのPPを新設する。
ハジラ(Hazira)ではジャムナガル(Jamnagar)から送られるナフサを原料に石油化学コンプレックスがある。エチレン能力75万トン(100万トンに増設中)と、ポリエチレン(PE)(16万+20万トン)、ポリプロピレン(PP)(36万)、VCM(塩化ビニールモノマー)PVC(ポリ塩化ビニール)(16万)、テレフタル酸(PTA)(35万x2)、その他を生産している。
パタルガンガ(Patalganga)ではPTA、ポリエステル繊維、LAB等を生産し、ナロダ(Naroda) はインドで最も近代的な繊維のコンプレックスである。
2002年5月、リライアンス・インダストリー(Reliance Industries)はインド政府から国営石油化学会社・インド石油化学(Indian Petrochemicals Corp. Ltd. )(IPCL)の株の26%を買収し、同社の経営権を取得した。現在インド石油化学(IPCL)の取締役10人のうち、5人はリライアンス社の指名で、リライアンス社のムケシュ・アンバニー(Mukesh Ambani) 会長がIPCLの会長を兼務している。IPCLは3箇所にコンプレックスを持っている。エチレン能力はヴァドダラ(Vadodara )が13万トン、ナゴザネ(Nagothane)が40万トン、ガンダール(Gandhar)(Dahej)が30万トンである。TPA能力は100万トンを超えている。
エタノール車 Ethanol-powered vehicle
カテゴリー: あ行
燃料として原油の代替燃料として注目されるトウモロコシ、サトウキビなど植物由来のエタノールを燃料とする自動車。エタノールのみを使用するものからガソリンとの混合で使うものまで様々な基準がある。日本では2003年から3%のエタノール含有率の混合ガソリンE3の実験が進められている。再生可能エネルギーであるバイオエタノールを使用することから環境にやさしい自動車として注目を集めるが、原料植物の生産過程で大量の化石燃料を使用すること、トウモロコシなどの生産ブームにより大豆、小麦からの転作で食物用穀物の生産が減少し世界的な価格高騰に繋がっていること、ブラジル、インドネシアなどでサトウキビ栽培の耕作地開拓のために大規模な焼畑が行われ自然破壊に繋がっていることなど多くの問題を抱えている。
Read More..>>温室効果ガス Greenhouse Gases
カテゴリー: あ行
太陽の熱を大気中に閉じ込める効果のあるガス。温室効果ガスが増えすぎると地球温暖化に繋がる。京都議定書による規定では6種類のガスがある。二酸化炭素、メタンガス、亜酸化窒素(一酸化二窒素)、ハイドロフルオロカーボン、バールフオロカーボン、六フッ化硫黄の6種類。
Read More..>>アービトラージ取引 Arbitrage Deal
カテゴリー: あ行
日本語では「裁定取引」とも呼びます。市場間の価格差を利用して利益を得る取引のこと。異なる市場間で同じように値動きする2つの金融商品のうち、割安なほうを買って、割高になったものを売ることによりリスク回避するなど、金利差や価格差を利用して収益を上げる取引のことをいいます。⇒裁定取引
Read More..>>アービトラージャー Arbitrager
カテゴリー: あ行
裁定取引を専門に行なう投資家のこと。マーケット間に起こる金利差を利用して、少ないけれども確実な利益を得ようとすることから、日本語では「サヤ取り業者」と呼ばれることもあります。⇒裁定取引⇒利ザヤ⇒サヤ取り
Read More..>>アイザー Either、アイザー・ウェイ Either Way
カテゴリー: あ行
ビッド(買いのオーダー、買い値)とオファー(売りのオーダー、売値)を同値(同じレート)で提示すること。また、ビッド・レートとオファー・レートが同値、同じレベルとなっている状態を表わします。同意語:チョイス(Choice)⇒ビッド、ビッド・レート⇒オファー
Read More..>>