政府系ファンド SWF:Sovereign wealth funds 国家ファンド
政府系ファンドは、国家の石油収入、外貨準備の運用を行うファンドのことである。国富ファンドともいう。
情報開示が少なく、政治的な目的に使われる可能性があると警戒する声もある。
代表的な政府系ファンドとしては下記のようなものがある。
●クウェート
○クウェート投資庁(KIA) 運用資産700億ドル
旧ダイムラー・クライスラーに6.9%出資 中国工商銀行の株式7.2億ドル出資 トルコ・ハルク銀行の株式取得 シティ・グループに対し30億ドル出資 メリルリンチに対し、みずほコーポレート銀行、韓国投資公社と共同で優先株に総額66億ドルの出資(年9%優先配当)KIA出資分は20億ドル さらに40億ドルの追加投資検討
●アブダビ
○アブダビ投資庁(ADIA)運用規模8750億ドル、シティ・グループに75億ドル出資(5%) 日本へは400億ドル投資予定 スイスの金融機関UBSの資産運用部門と折半で合弁会社を設立2008年6月までに5億ドルのファンド設立
○ムバダラ開発会社(Mubadala Development Company)フェラーリの株式5%、オランダ自動車リース大手LeasePlanの株式25%、カーライル・グループの株式7.5%とカーライルが運用する投資ファンドに5億ドル投資、その他、発電、アルミ精錬、通信、医療、不動産などに幅広く投資。100-170億ドル 2002年10月設立
○アブダビ国際石油投資公社 2007年9月コスモ石油の株式20%取得
○アブダビ投資評議会 アブダビ投資庁と合わせて5000-10000億ドル 2006年6月設立
●ドバイ
○イスティスマール 2007年6月英国の華客客船「クイーン・エリザベス2世号」買収 2007年8月バーニーズ・ニューヨーク買収、ファースト・リレーリングと買収合戦の末獲得 不動産開発会社ナヒールと経営統合、海外不動産投資を目論む。
○ドバイ・インターナショナル・キャピタル(DIC)投資総額70億ドル⇒100-250億ドル
ソニー、トヨタの株式取得、今後3年間で日本、インド、中国での運用資産残高を計50億ドル(約5400億円)とする方針。欧州航空防衛最大手EADSの株式3.1%保有
○ドバイ国際金融センター 2007年5月ドイツ銀行に2.2%出資
○ドバイ・ワールド 米カジノ・MGMミラージュの株式9.5%取得 港湾管理会社ドバイ・ポート・ワールド
○ドバイ取引所 ドバイ金融取引所(DFM)、ドバイ国際金融取引所(DIFX)の持ち株会社 2007年9月ロンドン証券取引所の株式28%保有 2007年9月米ナスダック・ストック・マーケットの株式19.99%保有 ナスダックはDIFXの33%を保有
ドバイの石油資源埋蔵量は40億バーレルである。可採年数は8年余りしかない。ドバイの政府系ファンドの原資はすでに石油収入から脱却している。GDPにしめる石油収入もすでに5%に低下している。資金調達の大半は国際金融市場からの借入、株式発行となっている。
●カタール
○カタール投資庁(QIA) 2008年内に150億ドル(約1兆6000億円)を投じて欧米金融機関の株式を取得することを計画、すでにクレディ・スイス株取得 2007年9月ロンドン証券取引所の株式20%取得
○カタール・ディアル 2007年4月イギリス国防省からロンドン市内の兵舎を買収、再開発へ
○デルタ・ツー イギリス小売大手セインズベリー買収表明、セインズベリーは英スーパー・マーケット第3位
●韓国
○韓国投資公社(KIC) シンガポール政府投資公社(GIC)をモデルに2005年設立 運用額200億ドル、2015年までに2000億ドルに拡大予定 2008年メリルリンチに20億ドル出資 2008年2月ドバイ投資公社と共同で20億ドルのファンド設立表明
●シンガポール
○シンガポール政府投資公社(GIC)運用規模33兆円
シンガポールの政府系ファンドの「シンガポール政府投資公社」(GIC)の不動産部門であるGICリアル・エステートは、米大手証券のモルガン・スタンレーとスターウッド・キャピタルが共同保有していた東京・目黒の「ウェスティンホテル東京」を770億円で買収したと、2008年2月26日に発表した。GICは07年春にも、米不動産投資会社のコロニーキャピタルから福岡市の複合施設「ホークスタウン」を約1000億円で買収している。2007年12月UBSに対して110億フランの転換社債引き受け。
○テマセク・ホールディング 運用規模11兆円 シンガポール航空、DBS銀行、シンガポール・パワー、ワイルド・ライフ・シンガポール(動物園、ナイトサファリ運営)国内メディアのMedia Corp、地元有力紙 Straits Timesを発行するSingapore Press Corporationなどの筆頭株主 投資先としては、韓国ハナ銀行、中国銀行、スタンダード・チャータード銀行、インドネシア・ダナモン銀行、UBS、シン・コーポレーション(タイ)、キャピタランド不動産、日本への投資としては、三井生命、イーモバイル、オープン・ワイアレス・ネットワークなど
プロジェクト投資としては、マネジメントを含めた途上国投資として中国の蘇州、無錫、ベトナム、インドでの工業団地開発などの実績がある。
●サウジアラビア
○サウジアラビア通貨庁(SAMA)2007年60億ドルのSWF設立 現在1兆ドル規模のSWFを設立準備
○サウジアラビア基礎産業公社 2007年5月GEのプラスチック部門買収
○キングダム・ホテル・インベストメント アルワリード・ビン・タリード王子経営
●中国
○中国投資有限責任公司(CIC)運用額約2000億ドルのうち約3分の1を海外に振り向ける方針、モルガン・スタンレーに優先証券50億ドル出資、転換後の持ち株比率9.9%。日本へは100億ドルの投資を計画 国際石油開発帝国ホールディングスの株式保有の噂⇒尖閣諸島の問題と絡んで国際問題化の恐れもある。 アメリカ投資会社ブラックストーンに対し30億ドル(10%)投資したがサブプライム問題にかかわる損失でブラックストーン株は30%下落し多額の損失を出した。また、サブプライムローン問題に揺れる住宅ローン大手カントリーワイドを買収する計画も進めている。
中国の国家ファンドSWFの原資は貿易黒字で稼ぎ出した外貨準備金である。中国の外貨準備は2007年12月現在で1兆3500億ドルに及ぶ。
●ノルウェー
○ノルウェー政府年金基金 年金ファンドでは日本に次ぎ世界第2位の規模 2005年石油基金、年金基金が改組されて設立 年金基金の規模は総額1兆2千750億クローネ(1千6百億ユーロ) ノルウェーは国民一人当たりの年金基金は500万円ほどの規模であるが、日本は国民一人当たり500万円以上の借金がある。ノルウェー最大にして世界有数の石油会社スタトイルの最大株主がこのファンドである。
●ロシア
○ロシア安定化基金(国家福祉基金)320億ドル
○準備基金1250億ドル
●リビア
○リビア投資庁
●ブルネイ
○ブルネイ投資庁
国家ファンド規模ランキング
第1位 アブダビ通貨庁 8750億ドル
第2位 シンガポール(GIC+テマセク) 4300億ドル
第3位 サウジアラビア 3000億ドル
第4位 ノルウェー政府年金基金 3000億ドル
第5位 中国(CIC) 3000億ドル
第6位 クウェート投資庁 700億ドル
第7位 オーストリア(スーパーアニエーションファンド) 400億ドル
第8位 アラスカ州永久ファンド公社 350億ドル
第9位 ロシア(安定化基金) 320億ドル
2008年4月現在、全世界で40ほどの国家ファンドSWFが存在すると言われている。
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